利回りが上下する要因~取引事例
収益物件の利回りが上下する要因をいくつかあげると、
①立地
②築年数
③取引事例
④金利
⑤景気
などがあります。
今回は、③取引事例についてご説明します。
収益物件の査定を行う際には、近隣の不動産を参考とします。
しかし、土地面積・建物面積・構造(木造・鉄骨造・RC)・築年数などまったく同じ収益物件はありませんので、できる限り条件の近い不動産と比較します。
図の様に近隣収益物件の利回りの平均値を計算すると、平均表面利回りが11.66%となりました。
査定物件が年間収入が500万円であれば、
500万円 ÷ 11.66% = 査定価格4,288万円
※実務では、NOI率・メンテナンス状況・土地の形など様々な要因を考慮して補正が入ります。
例えば査定物件の地域で、収益物件の供給過多・人口減少などが起こると、その地域の収益物件が全体的に利回りが上がり、結果的に査定価格が下がります。
また、収益物件に限ったことではありませんが、新築収益物件との利回りも比較要素になります。
新築収益物件の利回り8%が相場だったのが、色々な要因で7%になった場合には、中古収益物件も利回りが下がるため、査定価格が上がります。逆に新築収益の利回りが9%が相場になれば、中古収益物件も利回りが上がり、査定価格が下がります。
このように収益物件の査定の際には、近隣収益物件のとの比較で利回りが上下します。