【相談事例11】相続空家の売却方法

現状のまま買取してくれるそうなのですが……(50代女性)

母から実家を相続しました。自宅は20年前に購入しているので売却しようと考えています。

先日、某大手不動産会社から現状のまま買取してくれると話がありました。手続きも楽なのでお願いしようと考えています。

ただ、担当の某大手不動産会社の方は相続の知識があまりないようで……不安を覚えたのでご相談にきました。

当センターからのご提案

お知らべしたところ今回の案件は、相続空家3,000万円控除の対象となる不動産でした。

簡単にお伝えすると、売却したあとに支払う税金が最大600万円少なくなる制度です。

この制度の利用には、昭和56年5月31日以前に建築された住宅を更地にして売却するか、耐震リフォームをして売却する場合が前提となります。その他にも複数の要件全てに合致しないと、制度の利用はできないので注意されて下さい。

ご相談の件ですが、
①1,500万円で建物付きのまま売却する場合
②1,500万円で売主が建物解体費用を負担して売却する場合
この2パターンで試算しました。
 
①1,500万円で建物付きのまま売却する場合
◆収入 売買代金1,500万円
◆支出 印紙代1万円
◆手残り額(税引前) 1,499万円
◆譲渡所得税 278万円
◆手残り額(税引後) 1,221万円
 
②1,500万円で売主が建物解体費用を負担して売却する場合
◆収入 売買代金1,500万円
◆支出 印紙代1万円、解体費用120万円、滅失登記費用6万円
◆手残り額(税引前) 1,373万円
◆譲渡所得税 0円 ※3,000万円控除を利用したため譲渡所得税が0円になる
◆手残り額(税引後) 1,373万円
 
一見、①方が解体費用の負担が無く良さそうに見えますが、結果は②の方が152万円も手残り額が多くなりました。

相続不動産の売却については、相続の知識がある不動産会社でないと結果が大きく変わります。

今回のご相談者様には制度を利用して頂き、売却のお手伝いまで当社で行うことになりました。


熊本県・熊本市・合志市・菊陽町で不動産の相続にお悩みの方は、
「生活情報ネット相続相談センター」までお気軽にご相談下さい。