【第39回】離婚・財産分与に伴う不動産売却

今回は、離婚・財産分与が原因で不動産を売却する際の注意点です。

不動産は財産分与の対象になる?

ご自宅がご主人1人の名義でも、結婚後に築いた財産は夫婦の共有財産となります。
そのため、離婚を原因として不動産を保有・売却をする場合、財産分与の対象となるかが焦点となることがあります。

当社には離婚が原因での査定のご相談も多く頂きます。
現金であれば財産であることが分かりやすいですが、自宅は借金(住宅ローン)をして購入しているためです。

住宅ローンを利用している場合

不動産の査定価格は「土地価格 + 建物価格 + 外構」の現在の価値が前提です。

ただ、近年は、登記費用・火災保険・家具家電などの諸費用を含めて住宅ローンを借りている方が多くいらっしゃいます。
例えばフルローンで新築した場合を見てみます。

「フルローンで新築」
土地価格1,000万円 + 建物価格2,000万円 + 外構100万円 + 諸費用200万円
= 合計3,300万円 = 住宅ローン残高3,300万円

残念ながらこの諸費用については、不動産売却をする際の査定価格には入りません。
※売却して次に購入される方も必要となるためです・・・

ですのでフルローンで新築した次の日に査定をすると、
査定価格3,100万円 < 住宅ローン残高3,300万円 差額▲200万円
という状況になります。
つまり、新築時点ではマイナスの財産からのスタートとなります。
では築10年以内で査定をした場合を見てみます。

「フルローンで新築10年後」
土地価格1,000万円 + 1,333万円 + 外構33万円
= 合計2,366万円 < 住宅ローン残高2,470万円 差額▲104万円

新築時より差額は少なくなってますが、引き続きマイナスの財産となります。
住宅ローンの性質上、返済当初は住宅ローン元本が減りづらい仕組みになっていることも重なります。

このようなケースだと、自宅がマイナスの財産となります。
相手方に分けるとしても借金を分けることになるため、財産分与にも影響を与えます。

また、ご主人1人の名義でも、ご夫婦2人の名義でも、自宅の価値については同じ考えた方になります。

もちろん、今回のケースは1例ですので、土地価格が上がっているエリアや、希少性がある不動産の場合は、住宅ローン残高より高い査定となるケースもありますのでご注意ください。

当社では、離婚に伴う不動産売却も得意としております。
秘密厳守で対応しておりますのでお気兼ねなくご相談下さい。