【第40回】住宅ローン減税改正へ・マイホームを売却する方への影響は??

今回は住宅ローン減税改正についてご説明します。

住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方に対して、年末調整で税金が還付される制度です。2021年度の制度では最大600万円も税金が還付される制度になっており、マイホーム購入を検討している方を大きく後押しする制度となっていました。
ただし、数年前から住宅ローン金利低下とともに住宅ローン減税の見直しを求める議論があり、2022年から改正されることとなりました。

1年前にも売却コラムでとりあげています。過去の記事はこちら↓↓

【第31回】住宅ローン減税見直しへ

13年間住宅ローン控除を受けられるようになる? 2020年12月5日の日経新聞で、政府与党が住宅ローン減税の見直しの全容が判明したとの記事がありました。住宅ローン減税と…

結論から申し上げると、住宅ローン減税は縮小となります。

主な改正ポイントは、①控除率1%→0.7%へ ②住宅ローン残高上限額の段階的縮小 ③省エネ基準が良いほど控除額が大きくなる ④控除期間が、新築は13年・中古は10年 となります。改正された結果、最大控除額がどれほど目減りするかは下記表にまとめています。赤字箇所が最大控除額になります。

中古住宅については200万円→140万円となり、今回の改正では自宅売却を検討している方の多くは不利な改正となっています。

中古住宅でも認定住宅については200万円→210万円と有利な改正となっていますが、認定住宅に該当する中古住宅はほとんどありません。また、今後の詳細発表次第ですが、中古住宅でも、「個人売主の場合」と「不動産業者売主」の場合で適用が変わる可能性があります。※2021年の制度では、認定住宅でも個人売主と不動産業者売主で違いがあり「個人売主」の方が不利でした。

今回の改正では省エネ性にもよりますが、原則、新築住宅と中古住宅での住宅ローン減税で受けられる恩恵の差が広がっており、新築住宅の方が恩恵を受けられる制度になっています。

マイホームの売却を検討している方へは不利な制度変更となりましたが、必ずしも悲観的にならなくて大丈夫です。

住宅ローン減税は無条件でお金をもらえる制度ではなく、あくまでも自分が払った税金を取り戻す制度です。新築購入を検討している所得層の高い方は大くの税金を払っており、手ごろな中古購入を検討している方は比較的所得が低い傾向があるため税金の支払いが少ない傾向があります。

新築住宅を購入して最大控除額が455万円だとしても、200万円しか税金を払っていなければ200万円しか戻ってきません。

個人的には、東京などの不動産価格が高い都市圏や、築浅マイホームの売却でなければ影響はそこまで大きくないと考えています今後発表される詳細運用に注目が必要です。